大倉から二俣経由 鍋割山登山ルート 夏 6月~丹沢登山LIFE.com

大倉から二俣経由 鍋割山登山ルート夏 6月

   

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大倉から二俣経由 鍋割山登山

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大倉から鍋割山経由で塔ノ岳登山

このページでは大倉から二俣経由での鍋割山山頂までの丹沢人気登山コースをご紹介いたします。また折角、鍋割山に登るのですから山頂から鍋割稜線を歩き一足伸ばして塔ノ岳までの日帰り人気コースも御一緒にご紹介させていただきます。

コースタイム 5時間40分 標高差 1201m (大倉→二俣→鍋割山→塔ノ岳)


鍋割山への登山口 大倉

丹沢の表玄関と言われる大倉は神奈川県秦野市の西に位置する丹沢を代表する登山口として知られています。大倉は川遊びやバーベキューが楽しめる秦野戸川公園の入口としても利用されており休日の日中などは多くのファミリーなどで賑わいを見せています。

大倉へのアクセスは小田急線渋沢駅北口よりバスが出ており渋02 大倉行 堀川(渋沢駅北口発) 大人200円 に乗り15分程で到着します。マイカーでのアクセスも良く東名高速秦野中井ICより県道71号、52号、706号などを経由して10kmほどになります。

秦野戸川公園の中央を流れる水無川に架かる風の吊り橋は公園のシンボルとなっております。

バスターミナルから見たどんぐりハウス秦野戸川公園 風の吊り橋

大倉から二俣への登山ルート

バスターミナル正面にある大倉のどんぐりハウス脇に登山口案内や登山者カード投入箱がありますので登山口のルート再確認と登山者カードの提出を行い登山口へ向かいましょう。大倉から大倉尾根に向かう登山者と分かれて食事処大倉屋横指導標に従い脇の道路より二俣方面に向かうとしばらくの間は右手に丹沢山塊を見ながら畑に囲まれた道を進みます。

どんぐりハウス前の登山者カード投入箱鍋割・二俣への指導標

左手に二俣 鍋割山方面の指導標が現れたら左に折れ、道はすぐに細い林道に変わります。はじめのうちは道幅も細く、進むにつれて薄暗くなっていくのでこんな林道が続くのかとちょっと心配になるかもしれませんが初めのころの道幅の狭い薄暗い林道は10分~20分ほどのみとなり、その後はしっかりと整備された西山林道になりますので安心してください。

林道への指導標鍋割山・二俣への林道

五分ほど歩くとシカよけ柵がでてきますので柵をくぐり更に先に進むと途中で道が大きく旋回して舗装道路に出ますのでさらに上を目指します。するとすぐに丹沢大山国定公園の看板がなぜこんな場所にと言うような場所に見えてきますのでこの道が西山林道になります。

丹沢大山国定公園西山林道

しばらくの間しっかり整備された西山林道を歩いていると左手に指導標が見えます。ここではじめて二俣までの距離が記されており、ここから二俣まで3.4kmとなっています。二俣まで距離は多少ありますが林道自体整備がしっかりされており、かつあまり傾斜を感じさせないためハイペースで進む事ができます。

西山林道はほとんどの区間で頭上まで木々が生い茂っており夏の強い日差しを遮ってくれますので夏場の塔ノ岳登山にはヤビツ峠や大倉尾根から登る日影の少ない尾根登山よりもお勧めのコースと言えます。

西山林道はじめての指導標西山林道頭上の木々

大倉から1時間程歩いた辺りから左手に四十八瀬川の上流部を眺めながら林道を歩き続けていると西山林道はじめての休憩場が見えてきます。ここから階段を降りて5分程で黒竜の滝を見る事ができます。

鍋割山まで4.9kmの指導標黒竜の瀧前の休憩所

林道をさらに進むと左右に大きなゲートがある開けた場所にでますのでここを中央の標識に従い鍋割山方面に登って行くと500m程で二俣に到着します。

左右にゲートのある広場広場にある指導標

左手に銅像が見え、その銅像を過ぎると真横に四十八瀬川の流れが見えてきます。

登山道左手に見える銅像四十八瀬川

四十八瀬川との高低差を感じなくなったあたりから数分で二俣に到着しますが大倉からここまではゆっくり歩いて1時間30分程になります。二俣では勘七ノ沢などの沢登りをする方などの車が止まっていることもあり沢登りシーズンなどは混み合っていることもあります。沢登りをされる方は桟橋を渡り沢沿いに上がっていくようですが鍋割山を目指すには勘七ノ沢の桟橋を渡り左手の林道を進みます。

二俣にある登山者カード投入箱と指導標二俣から勘七沢にかかる桟橋

二俣から後沢乗越への登山ルート

林道に入りすぐに鍋割山 小丸経由、塔ノ岳 大丸経由の指導標が見えてきますがここでは左側へ進みます。林道を歩いていると左側に瀧のような二段堰堤が見えてきますのでそのまま進むと歩きやすい林道は途中からがれ場のような登りに変わりやがて沢を渡る桟橋が見えてきます。

勘七沢を渡ってすぐの指導標林道脇の二段堰堤

沢を渡ると登山道は左に折れ、後沢乗越を目指します。林道の終わりには水の入ったペットボトルが山積みにしてありますがこれは鍋割山荘へ運ぶ為に準備された水になり、ボランティア精神のある方に水ボッカのお願いをしていますので体力に自信のある方などはご協力をされてみてはいかがでしょうか。ちなみにボッカとは、山岳のような体力的もしくは地勢的の難所において人間が背中に荷物を背負って徒歩で運搬することを言い表した言葉になります。ただはじめてこのコースを歩く方には注意が必要で今までの林道気分でボッカを行うとちょっときつい思いをすることになるかもしれません。ここから先のコースは沢を渡ってからほぼ登りのコースになりますのであまり無理をされずに余力を残せる本数で挑戦してみてください。

後沢乗越に向かう桟橋鍋割山への水ボッカスタート地点

ここからは少しの間、沢のような場所を歩きますが鍋割山までの指導標があちらこちらにありますのでしっかり指導標を確認して歩けば迷うことはありません。

後沢乗越に向かう桟橋鍋割山・後沢乗越への指導標

沢を抜けるとまた林道を登りはじめ、ここからはしばらく急斜面をジグザグに登っていきます。進むに連れて傾斜はさらに増していき、この辺で一気に高度を稼いでいるような気がします。

急斜面になっていく登山道後沢乗越近くの急斜面

この先で鍋割山方面と栗ノ木洞方面にわかれるT字路のような後沢乗越に到着です。後沢乗越はやせ尾根のT字路のような場所でこの先にある金冷しなどに比べると非常に狭いイメージを受けるかもしれません。大倉から鍋割山への登山道はしっかり整備されており、初心者の方にも非常に歩きやすい上に所々には登山道を示す赤マーキングなどが施されていますので迷う事なども無いと思われます。

後沢乗越登山道を示すマーキング

後沢乗越から鍋割山への登山ルート

急な尾根を登り続け途中振り返ると木々の隙間から栗ノ木洞がひょっこり顔を出しているのを見る事ができる場所などもありますがほとんどの場所ではあまり眺望は望めなくひたすら林の中を歩き続けます。しばらく登り両脇をロープで仕切られた桟橋状の階段が見えた辺りから展望が良くなってきます。

背後に見える栗ノ木洞展望が良くなる辺り

しばらくして両脇に木々の壁がそそり立ち登山道が今までの半分程の幅になったあたりに一部開けた場所があり遠くの山並みを見渡す事ができます。

両脇の木々で狭くなる登山道開けた場所からの眺望

鍋割山山頂

景色を楽しみながら細い登山道を登り続けるとやがて正面に山荘の姿が見えてきます。ここが鍋割山の山頂となり鍋焼うどんで有名な鍋割山荘になります。

登山道から見た鍋割山荘鍋割山荘

二俣から1時間40分程で到着する鍋割山山頂からは西に富士山、その左側には箱根や伊豆の山並みが見え、方角を変えれば目前には塔ノ岳から丹沢山、蛭ガ岳、桧洞丸にかけての丹沢主稜の山々と見事な大パノラマが広がっています。

鍋割山山頂鍋割山山頂からの眺望

海からの湿った風を受けやすい丹沢山塊は雲に覆われることが多く、日によっては雲海に阻まれ眺望がよくない時もありますがそんな時には名物の鍋焼うどんを楽しみます。

雲に覆われた鍋割山山頂鍋割山名物鍋焼きうどん

この鍋焼うどんを堪能するために途中では一切行動食を口にせずに少々お腹を減らして登るのもいいかもしれません。ただ鍋焼きうどんを楽しむための提案でありますので行動食を控えて途中でシヤリバテしないように注意してください。(笑

自然の中で素晴らしい景色を見ながら食べるからか、程よく汗をかきお腹を空かせて歩いたからか、いや料理の腕がいいのだろうといろいろ考えながらもとにかくうまい!!!椎茸、しめじ、長ネギ、かぼちゃ、油揚げなどの豊富な具材と太めのうどんが半熟たまごと絡み合い味をまろやかにしています。

素晴らしい景色を堪能しながら鍋焼きうどんをたいらげたら鍋割山山頂を後にします。この時下から運んできたペットボトルを出し忘れないようにしてください。山荘脇のポリタンクに水を移し、空のペットボトルを脇に置いておきます。鍋割山荘を左側から巻き裏手に回ると指導標があり、塔ノ岳方面と雨山峠方面に道が分かれます。

自然の中で頂く鍋焼きうどん鍋割山山頂の指導標

鍋割山山頂から鍋割山稜と経由して塔ノ岳への登山ルート

鍋割山山頂から大倉尾根の金冷しまでの山稜を鍋割山稜といいこの鍋割山稜はブナの自然林が四季折々に織り成す林相が素晴らしい尾根道になります。

この先アップダウンを何度か繰り返して進みますが塔ノ岳と鍋割山を繋ぐ稜線なためか雲の通り道になりやすく霧に包まれた日などは幽玄なブナの林相を楽しめるうえ、天然の加湿器を身体一杯に浴びて歩いているようで非常に心地よく感じます。

塔ノ岳方面に向かう鍋割山稜霧に包まれた幽玄な鍋割山稜

鍋割山稜は非常に整備と手入れが行き届いており登山道もわかりやすいうえに要所要所の丸木階段や木道の桟橋なども真新しい感じを受ける個所も多くあります。途中、休憩場がありますがその日の天候によってはこんな感じに・・・

整備された鍋割山稜霧によって幻想的な空間の休憩所

アップダウンを繰り返しながら鍋割山稜を歩いていき小丸、大丸と着実にポイントを超えて塔ノ岳に向かいますがこの鍋割山稜ではあまり標高は稼げずこの先の大倉尾根との合流地点である金冷しから傾斜が増していきます。鍋割山山頂の標高が1273mで小丸1341m、大丸1386mと標高は増していますがこの間、2kmほどになり塔ノ岳まで残すところ1km程の距離で塔ノ岳1491mに到達することになりますので単純計算でも大丸から先は今までの倍の傾斜をこなしていくことになります。

小丸の指導標大丸の指導標

大丸を超えてしばらく行くと大倉尾根から登ってくる登山者と合流する金冷しに到着します。ここからは大倉尾根からの登山者も合わさるため登山道は今まで以上に賑わいを見せます。

大倉尾根から登るにしても鍋割山経由で登るにしても金冷しから塔ノ岳山頂までのこの数百メートルの登りが多くの登山者を苦しめているようであちらこちらに足取りの重い登山者を目にします。私もそんな登山者の一人ですが(笑

特に大倉尾根からの登山は通称バカ尾根と言われるように登り一辺倒の登山になるために疲れも溜まりやすいようですが素晴らしい眺望を望める塔ノ岳はすぐそばですのでもうひと頑張りとなります。

金冷しの指導標登山者で賑わう登山道

塔ノ岳山頂

ここを登りきれば塔ノ岳山頂になります。鍋割山山頂から塔ノ岳山頂まではゆっくり歩いて1時間10分程になります。

山頂間近の木の階段塔ノ岳山頂

塔ノ岳山頂は広々としており、どの方角をみても大パノラマが広がっています。山頂の北寄りには多くの登山者に親しまれている尊仏山荘が鎮座しており、この山荘に一泊すれば富士山に沈む夕日から首都圏一帯の夜景や大山をシルエットに昇る日の出を楽しむ事ができます。

塔ノ岳山頂塔ノ岳山頂の眺望 塔ノ岳山頂に建つ尊仏山荘塔ノ岳山頂からの富士山

下山には金冷しまでくだり鍋割山経由で西山林道に下るコースか大倉尾根を戻る往復コース。その他にも三ノ塔や二ノ塔を通りヤビツ峠に降りる表尾根縦走コースなどがあります。

2013年7月 


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