HOME>>ヤビツ峠から大山登山
丹沢山塊の東端に位置する大山は均整のとれた端正な姿を誇る信仰の山として江戸時代より親しまれてきました。また雨乞いの山としても有名で現在でも大山阿夫利神社は参拝者で賑わいをみせています。
大山は首都圏からのアクセスの良さと阿夫利神社下社までケーブルカーで登れるといった利便性が人気の理由の一つですが、登山の山としての魅力も持ち合わせており、東西南北に広がる登山道は見晴らしの良さや登り安さ、季節ごとの花々など多くの魅力を兼ね揃えています。
大山山頂へはさまざまなルートで登ることができますが数あるルートの中でも人気の高い登山コースをご紹介いたします。
ヤビツ峠から大山山頂登山
大山ケーブルカー駅から大山山頂登山
日向薬師から大山山頂登山
広沢寺温泉から大山山頂登山
などのコースがあり、まずはヤビツ峠から大山山頂登山コースをご紹介いたします。
ヤビツ峠とは丹沢表尾根や大山イタツミ尾根の登山口として知られている峠で戦国時代、甲斐の武田勢と小田原の北条勢との古戦場であったとされています。その時のものか峠道の工事の際に矢櫃(矢を収納する箱)が出土したことからヤビツ峠の名がついたとされています。
ヤビツ峠へは小田急線秦野駅よりバスがでていますし、マイカー用の駐車場もありますのでマイカーで登山口まで行くことも可能です。ただ丹沢でも人気の高い登山口のためハイシーズンには30台程度駐車可能な駐車場はすぐにいっぱいになってしまい、近隣の道路脇スペースを探して駐車している登山者なども多く見受けられますのでマイカーでの登山計画の際は早朝からの登山をお勧めいたします。
公共機関使用 秦野駅→ヤビツ峠 神奈中バス50分程度 460円
マイカー使用 東名秦野中井IC→ヤビツ峠 県道71号、72号 14.9km
コースタイム ヤビツ峠→大山山頂 1時間20分程
下山には下社へ下るコースやヤビツ峠に戻るコースがありますがともに1時間もあれば下山可能です。
大山への登山道はヤビツ峠バス停のすぐ裏にあり木の階段を数段登るとすぐに開けた場所にでます。その先は二手に分かれ右手に進むと蓑毛方面となり左手に進むと大山山頂を目指します。指導標に従い左手登り階段を上がります。
枕木と石畳のような階段を進むとしばらくの間、右手斜面には杉の植林地が続きますが登山道、植林地ともにしっかり整備がされているため暗く陰気なイメージは全くなく午前中には日差しが差し込んできます。
登りがひと段落すると登山道の両脇に笹が目立ちはじめ足場は赤土で滑りやすくなります。登山道途中に親切な注意書きの立札もあり、登山者への配慮が伺えます。
しばらく歩き徐々に傾斜が増してきたあたりから右手の植林地が一部途切れヤビツ峠を見下ろすことができます。
大山コース1の標識が見え始めたら登山コースの4分の1に到着です。中腹にはベンチがあり軽い休憩をとることができ、ベンチの先は登りがひと段落して平坦な登山道が続きます。
標高が増し杉が徐々に数を減らしてきた辺りに鎖場が現れます。岩と赤土が混じったような鎖場ですが足場は取りやすいですのであわてずに一歩一歩進めばあまり危険な場所ではありません。傾斜のある岩混じりの登りを終えると大山へ1.4kmの指導標が現れます。ここから登山道が右手に折れ朝日に向かって歩き始めたのに気付いた頃には両脇を見下ろせるイタツミ尾根を歩いています。
イタツミ尾根を過ぎて登山道を登り少し進むと登山道の所々に頭上注意の赤マーキングがありますので注意してください。自然の中に人間が立ち入る訳ですからあくまでも自然が優先といった考え方に非常に好感が持てます。邪魔だから切ってしまうのではなく、ちょっとよければ通れるのだからそのまま残すといった心意気になんだか心が温まります。
流石にここは低いです。1mくらいでしょうか。飛び出た枝にお辞儀をするようにくぐると道は右に折れ、一部視界が開け綺麗な山並みを見ることができます。この先、両脇の笹の背丈が増し笹に囲まれるように赤土の滑りやすい登山道を登っていきます。
ここまで登ってくると背後に雄大な富士山の姿を見ることができます。大山コース4の指導標の場所で下社からの登山道と合流となりここから山頂までは残り200mとなります。指導標のそばには国定公園大山口登山道ヤビツ峠分道25丁目 標高1174mと記された石碑が建っています。ヤビツ峠が標高761mですのでここまで413m上がってきたことになります。
頂上に向かいガレ場のような登山道を登るとシカが山頂部に侵入することを防ぐためのグレーチング階段が現れます。丹沢の山々はどこもシカの被害に悩まされている現実が見えてきます。グレーチング階段の先には鳥居があり、この鳥居をくぐると大山口登山道27丁目の御中道になります。
御中道を登りきった場所に立つ鳥居をくぐると大山山頂になります。大山山頂には休憩をとれる茶屋がありますが・・・流石に朝早いと開いていません(汗
売店には生ビールやお酒、カレーライスやそば類などいろいろなメニューがあります。山頂でのビールや食事は何事にも変えられない至福です。山頂ということで多少割増料金になりますが登山者の為にここまで食料や飲み物を運んできて下さる方々の労力を考えると決して高い金額ではないと感じます。ベンチからの眺めは最高で晴れている日には遠くの街並みまで見渡すことができます。
山頂の売店を右手に巻いて階段を登ると背後にシカよけの柵を背負った大山々頂奥の院が見えてきますのでここが大山山頂になり、御鎮座地 海抜1251.7mとなります。大山山頂は広めでどの方面も見晴らしが良く、所々にベンチが設けてありますので天気のいい日などはつい長居をしてしまいます。大山山頂、奥の院から右手に下ると不動尻や見晴らし台方面への登山道となります。ここまででヤビツ峠から大山山頂までの登山道コースご紹介となります。最後に山頂のすばらしい景色をお楽しみください。
ここまで大山登山の魅力をできる限りご紹介してきましたが私の表現力不足と写真や言葉だけでは説明できない大山の四季折々の魅力の多さに是非、足を運んでいただきたく思います。
2013年6月
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